タウリンは疲れやだるさに関係するの?

タウリンは栄養ドリンクでおなじみの成分で、イカや貝類などの魚介類に多く、私たちの筋肉や心臓にもたくさんある身近なアミノ酸です。 疲れとの関係は、これまでおもに運動の場面で研究されてきました持久的な運動をあつかった10件の研究をまとめた2018年のメタ分析では、タウリンをとった人のほうが持久力の成績がよかったと報告されています(効果の大きさを示す指標が0.40、95%信頼区間0.12〜0.67、P=0.004) [1] ただし0.40は「小さめ」に分類される大きさで、日常のなんとなくの疲れをあつかった研究はまだ多くありません。

なぜ「疲れ・だるさ」と関係するの?

タウリンが細胞のなかで担う働きとして、次のような点が整理されています [2]

  • エネルギーを作り出す流れ(電子伝達系)を正常に保つ
  • 体にそなわった抗酸化物質グルタチオン蓄えを保つ
  • 細胞膜を安定させ、炎症をしずめる
  • カルシウムたまりすぎるのを防ぐ

運動をすると、筋肉では疲れのもとになる変化(酸化ストレス=細胞のサビつき)が起こります。 タウリンがこうした負担を和らげるように働く可能性が研究されてきました。

タウリンが酸化ストレスを和らげ、エネルギー代謝を支えることで、運動の疲れの軽減が研究されているイメージ

イメージは「がんばる細胞を、サビつきから守る手助けをする」ということです。

研究ではどのくらいの効果が報告されている?

運動の場面と、病気による強い疲れの場面とで、報告されている内容が分かれます。

  • 運動の場面では、上のメタ分析が2017年9月までに発表された10件の研究(1日1〜6g、単回から最長2週間)を集計しています。「疲れ果てるまでの時間」を測った7件にしぼっても結果はほぼ同じでした(0.43、P=0.007)。1回だけ飲んだ場合と1日以上続けた場合で差はなく(P=0.897)、量の多い少ないでも結果は変わりませんでした [1]
  • 病気による強い疲れでは、報告が異なります。肝臓の病気(非代償性肝硬変)で疲れが強い人220人を、L-タウリン1日1000mgを12週間加える群と標準的な治療のみの群に分けた2026年の試験では、主要な評価である疲労スコアの変化に、両群で差はありませんでした(平均差-1.25、95%信頼区間-3.55〜1.05、P=0.288) [3] 一方、貧血のない41人にかぎると、タウリンを加えた群のほうが疲労スコアが大きく下がったと報告されています(P=0.002)。

栄養ドリンクには、タウリンと一緒にカフェイン入っていることが多くあります。 「飲むとシャキッとする」感覚は、タウリンではなくカフェインによる部分も大きいと考えられます。

どのくらいの量が研究で使われている?

運動の研究では1日1〜6gと幅があり、上のメタ分析では量による差は確認されていません。肝臓の病気の研究では1日1000mgを12週間続けています。日本ではイカ・タコ・貝類といった食事からも日常的にとっています。

取り入れ方のヒント

  • まずはイカ・タコ・貝類などの魚介類から取り入れるのが基本です。
  • 栄養ドリンクで補う場合は、カフェインのとりすぎ(とくに夕方以降)に気をつけましょう。
  • 疲れが長く続くときは、貧血や甲状腺の不調など別の原因がかくれていることもあります。気になるときは医療機関にご相談ください。