まず押さえたいポイント

テオブロミンは、カカオ豆に多く含まれる成分です。 カフェインと同じメチルキサンチンの仲間で、脳の同じ受け皿に関わることから、集中や気分との関係が調べられてきました。 ヒトの試験で測られてきたのは気分の質問票と注意を続ける課題で、1回100〜400mgではどちらも動かなかったと報告されています。

なぜ「集中・記憶」と関係するの?

テオブロミンは血液脳関門を通り、カフェインと同じアデノシン受容体に結びつきます。研究者はこの共通点を手がかりに、カフェインと同じように気分と注意が変わるかどうかを確かめてきました [2] 。測られているのは気分と注意で、記憶課題そのものを調べた試験は見当たりません。

カカオに多いテオブロミンが、カフェインと同じ脳のアデノシンの受け皿に関わることを示した図

体に残る時間は、カフェインより長くなります。1986年に6人の男性で4つのメチルキサンチンを飲み比べた研究では、テオブロミンの半減期が7.2時間で、4つの中でいちばん長い値でした。カフェインは4.1時間です [1] 。

研究では何がわかっている?

  • 24人の男性が二重盲検で6回の試験に参加し、ココア飲料でテオブロミンを100mg・200mg・400mgとりました。唾液中の濃度は量に応じて差がついたのに、気分と2時間の注意課題の成績はどの量でも変わらなかったと報告されています。同じ試験でカフェイン100mgは、だるさ・疲れの評価を下げ、活力の評価を上げました(p=0.006、p=0.011) [2] 。
  • 健康な80人にテオブロミン250mg・500mg・1000mgを試した研究では、250mgで主観的な変化がわずか、それより多い量では気分の評価が下がったとされています。心拍数は量に応じて増えました [3] 。
  • 頭の働き以外を測った試験もあります。血圧を調べた42人・3週間の試験では、テオブロミンを979mgに増やしたココアで24時間の収縮期血圧がプラセボより3.2mmHg高く、飲んだ2時間後の中心血圧は4.3mmHg低いという結果でした [4] 。
  • 血液の脂質を調べた152人・4週間の試験では、テオブロミン850mgがHDLコレステロールを0.16mmol/L高めています。著者らは、ココアのHDLへの働きの主役はテオブロミンだろうとしています [5] 。

構造が似ていても、気分と注意の指標については、カフェインで見られた変化がテオブロミンでは出ませんでした。

取り入れ方のヒント

  • 普段の食事では、ダークチョコレートやココアが主な供給源になります。
  • 半減期が7.2時間と長いため、夜に多くとると翌朝まで残ります [1] 。とる時間帯は早めにするのが無難です。
  • 気分の評価については、量を増やしても良い方向には動きませんでした。80人の試験では、250mgより多い量で評価が下がっています [3] 。