まず押さえたいポイント

ホスファチジルコリンは、大豆や卵に含まれる「レシチン」の主成分です。 コリン細胞の膜に関わることから、記憶・頭の働きとの関連で使われてきましたが、これまでの研究でも、はっきりした効果は確認されていません。

なぜ「記憶」と関係するの?

ホスファチジルコリンは、体内で「コリン」のもとになり、記憶に関わるアセチルコリンや、脳の細胞の膜をかたちづくると考えられています。 このイメージから、昔から記憶・認知との関係が研究されてきました。

ホスファチジルコリン(レシチン)がコリンを通じてアセチルコリンや脳の細胞の膜に関わると考えられる一方、記憶へのはっきりした効果は確認されていないことを示すイメージ

研究では何がわかっている?

  • 記憶や認知の問題に対するレシチンの効果を調べた研究(コクラン)では、記憶などへのはっきりした効果は確認できなかったと整理されています [1]
  • 一方、高齢の人を対象にした最近の研究では、レシチンが記憶や筋肉の衰えに良かったとする報告もありますが、新しい研究であり、さらに確かめる必要があります [2]
  • 大勢の人を長く追った研究では、血液中のホスファチジルコリンに含まれるDHA(魚の油の成分)が多い人で、認知症のなりやすさが低い傾向が報告されていますが、観察にもとづく研究です [3]

「コリン系の成分のなかでは記憶への裏づけがとくに弱い」というのが現状です。

取り入れ方のヒント

  • レシチンは大豆や卵などの食品にも含まれる成分です。記憶へのはっきりした効果は、研究では確認されていません。
  • 脳の働きの土台は、毎日の睡眠・運動・食事と、人と関わる時間にあります。