まず押さえたいポイント

L-チロシンは、たんぱく質に含まれるアミノ酸で、やる気や集中に関わる脳内の物質(ドーパミンやノルアドレナリン)のもとになります。 ストレスや睡眠不足など脳が消耗した状況で頭の働きを支えるとの報告がある一方、負荷の少ない通常時の上乗せははっきりしていません。

なぜ「集中力」と関係するの?

ストレスや睡眠不足が続くと、脳はドーパミンやノルアドレナリンをさかんに使い、その材料が足りなくなることがあると考えられています。 L-チロシンは、その材料(もと)を補う役わりとして研究されてきました [1] いわば、消耗した状況での「補給」のようなイメージで、普段から上乗せするものとは少し位置づけが異なります。

L-チロシンが、ストレスで消耗したドーパミンなど(やる気・集中に関わる脳内物質)の材料を補うことが研究され、消耗した状況で頭の働きを支える一方、通常時の上乗せははっきりしないことを示すイメージ

研究では何がわかっている?

  • ストレスや高い負荷がかかった状況での頭の働きを整理したレビューでは、負荷で消耗した状況では認知のパフォーマンス低下を補うとの報告がある一方、負荷の少ない通常時では上乗せがはっきりしないと整理されています [1]
  • 健康な人を対象に、負荷の高い作業記憶の課題で調べた研究では、L-チロシンをとると成績が保たれる変化と関係すると報告されています [2]
  • 複数の作業を同時にこなす負荷の高い状況でも、作業記憶が保たれるとの報告があります [3]
  • 一方、サッカー選手を対象にした研究では、運動と認知のパフォーマンスにはっきりした効果は示されなかったと報告されており [4] どんな場面でも役立つわけではないと考えられます。

「ストレスや睡眠不足で消耗した状況では支える報告があるが、通常時の上乗せははっきりしない」というのが現状です。

取り入れ方のヒント

  • L-チロシンは普段の食事のたんぱく質からも自然にとれます。
  • 集中の土台は、まず十分な睡眠と食事を整えること。サプリはその補助として考えるのが現実的です。
  • 甲状腺の病気・薬がある方、気分や血圧に関わる薬、パーキンソン病の薬を使う方は、利用前に必ず医師にご相談ください。