まず押さえたいポイント

ティリロサイドは、ローズヒップ(イヌバラの実)に含まれるフラボノイドです [4] 。日本では機能性表示食品の関与成分として使われています。

人での試験は32人・12週間の1件が中心で、体重とBMI、腹部の脂肪面積で差がついた一方、体脂肪率は下がる傾向にとどまっています。

なぜ「体脂肪」と関係するの?

体につく脂肪には、皮膚のすぐ下にたまる皮下脂肪と、おなかの奥の臓器のまわりにたまる内臓脂肪があります。健診でウエストを測るのは、後者の目安を見るためです。

脂肪の細胞は、ただ脂をためているだけの倉庫ではありません。アディポネクチン(脂肪の細胞から出て、脂肪の燃やし方に関わるホルモン)などの合図も出しています。マウスの研究では、ティリロサイドを与えるとこの合図が強まり、肝臓と筋肉で脂肪酸を燃やす向きの働きが高まっていました [3] 。

脂肪の細胞から出るアディポネクチンの合図が肝臓と筋肉に届くこと、そこにティリロサイドが関わるとしてマウスで研究されてきたことを示した図

研究では何がわかっている?

  • 出発点は2007年のマウスの研究です。ローズヒップの抽出物を2週間与えると、餌の量が変わらないまま体重と内臓脂肪の増え方が抑えられました。成分を分けていったところ、働いていたのはティリロサイドで、ケンフェロールやp-クマル酸だけでは同じ結果になりませんでした [2] 。
  • 2012年に肥満と糖尿病のモデルマウスへ21日間与えた研究では、体重と内臓脂肪の増え方は抑えられませんでした。血液中のインスリン・遊離脂肪酸・中性脂肪が低くなり、アディポネクチンが高くなっています [3] 。動物の研究でも、結果は条件でそろっていません。
  • 人での試験は2015年のものです。BMIが25以上30未満の32人に、ローズヒップ抽出物100mgを含む錠剤またはプラセボを1日1粒・12週間とってもらいました。食事の指導はしていません [1] 。
  • 結果は、腹部の総脂肪面積・内臓脂肪面積・体重・BMIが開始前より低くなり、その下がり幅はプラセボ群より大きいというものでした。皮下脂肪の面積も12週後にプラセボ群より低くなっています。一方、体脂肪率は下がる傾向にとどまり、統計的な差はついていません [1] 。
  • この試験の著者には、抽出物を扱う企業の研究者が含まれます [1] 。読むときに知っておきたい点です。

32人という規模と、参加者がBMI25以上30未満に限られている点は、そのまま受けとめておく必要があります。

取り入れ方のヒント

  • 試験に使われたのは実から取り出した抽出物で、1日100mgを12週間です。ローズヒップティーに溶け出す量は製品や淹れ方で変わります。
  • 試験では食事の指導をしていません。逆に言えば、食事を変えずに測った12週間の結果ということになります。
  • 成分そのものの解説はティリロサイド、体脂肪の考え方は体脂肪が気になるにまとめています。