葛の花由来イソフラボンは体脂肪と関係するの?

葛(クズ)の花から取り出したエキスを、BMIが25以上の日本人81人に12週間飲んでもらった比較試験があります [1] 。参加者はエキス300mgの群、200mgの群、プラセボ(偽の薬)の群に無作為に分けられました。結果は、エキスをとった群でBMIと内臓脂肪面積が低く、皮下脂肪面積では差が出なかったというものです。

人に飲んでもらって比べた試験は、いまのところこの1本が中心です。研究の量としては少なく、対象も肥満気味の人に限られています。

なぜ体脂肪と関係するの?

正直に書くと、人での仕組みははっきりしていません。

分かっているのは、成分が体に入ったあとの入口の部分です。2011年の研究は、葛の花に含まれる5種類の配糖体(糖がついた形)のうち4種類が、無菌マウスの小腸のすりつぶし液だけで完全に糖を外され、腸内細菌がいなくても分解されたと報告しています [2] 。糖が外れたあとの成分は、それ以上ほとんど代謝されませんでした。

その先で脂肪の代謝に何が起きるかは、動物の研究の段階です。試験が測っているのは、お腹の断面の脂肪の面積と体重・BMIという結果のほうで、その手前の仕組みではありません。

お腹をおへその高さで輪切りにした断面で、皮下脂肪と内臓脂肪がどこにあるかを示した図

研究では何が報告されている?

  • BMI25以上の日本人81人を3群に分けて12週間おこなった試験で、エキスをとった群のBMIと内臓脂肪面積が低く、皮下脂肪面積では差が出なかったと報告されています [1] 。使われた量はエキスとして1日200mgと300mgです。内臓脂肪面積の減り方に男女差は見られなかったとされます。
  • 同じ試験の報告は、BMIが下がった理由を内臓脂肪面積が減ったことに求めています [1] 。ただし、人の体の中で脂肪の代謝がどう変わったかを直接測ったわけではありません。
  • 安全性については、マウスに体重1kgあたり5gを1回投与した急性毒性試験で、14日間に死亡や一般状態・体重・摂餌量の異常、主要な臓器の異常所見が見られなかったと報告されています [3] 。あわせてラットでの亜慢性毒性試験もおこなわれています。いずれも動物での結果です。
  • 上に挙げた報告は、著者の顔ぶれが重なっています [1] [2] [3] 。別の研究グループが同じ条件で追試した報告は見あたりません。

どのくらいの量が研究で使われている?

試験で使われたのはエキスとして1日200mgと300mgでした。一方、機能性表示食品の届出で使われる数字は「葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)」の量で、原料メーカーの資料では体脂肪を減らす訴求で1日22mg、エネルギー消費量や脂肪の分解・燃焼の訴求で35mgとされています [4] 。エキスの重さと、その中の成分の重さは別の数字なので、200mgと22mgをそのまま比べることはできません。

この表示は、売り手が用意した資料を消費者庁へ届け出たうえで付けられています。国が個別に中身を審査した結果ではありません [5] 。パッケージの届出番号を控えれば、その資料を自分でたどれます。

体重や内臓脂肪にふれた表示のある製品でも、食事と運動を見直すことが土台になります。大豆・豆類にアレルギーのある方、妊娠・授乳中の方、薬を飲んでいる方は、利用前に医師にご相談ください。

成分の由来と体内での道すじは葛の花由来イソフラボン、体脂肪との向き合い方は体脂肪・代謝が気になるで扱っています。