まず押さえたいポイント

明日葉の研究で名前が挙がるのは、茎を切ると出る黄色い汁に含まれるカルコンです [3] 。この成分をカプセルに入れて、内臓脂肪の面積を測った試験が日本で行われています [1] 。

内臓脂肪面積を主要な評価項目に置いた試験は、42人・12週間の1本だけです。

なぜ「体脂肪・代謝」と関係するの?

明日葉の茎に傷をつけると、切り口から黄色い汁がにじみ出ます。この汁の色のもとがカルコンで、代表的なものが4-ヒドロキシデリシンとキサントアンゲロールの2つです [3] 。

明日葉の茎の切り口から出る黄色い汁にカルコンが含まれ、その量を決めたカプセルで12週間、お腹の断面をCTで撮って内臓脂肪の面積を測った試験の流れを示した図

55本の文献をまとめた2024年の総説は、この2つのカルコンについて動物や培養細胞での報告を集めたうえで、人では体重・肝機能・血糖・血中の抗酸化の指標にふれた報告があると整理しています [3] 。口から入ったカルコンが体の中で何をして内臓脂肪の面積が変わるのか、その仕組みは人では確かめられていません。

研究では何がわかっている?

  • 内臓脂肪を測った試験は2024年に報告されました。BMIが25以上30未満の男性17人・女性25人が、カルコン16mg(4-ヒドロキシデリシン10.1mg・キサントアンゲロール5.9mg)を入れたカプセルかプラセボを12週間飲んでいます。主要な評価項目のCTで測った内臓脂肪面積は、12週後にカルコン群のほうがプラセボ群より小さかったと報告されています(p<0.05) [1] 。
  • 同じ試験の副次的な評価項目がウエスト周囲径です。8週後(p<0.05)と12週後(p<0.01)にプラセボ群との差が出ました [1] 。内臓脂肪面積のほうは8週の時点では差がついていません。
  • この試験の著者の所属には、素材メーカーの日本バイオサイエンスラボラトリーが含まれます [1] 。素材を売る側が試験を組んだからといって、結果が誤りだということにはなりません。ただ、この結果を確かめた別の研究グループの報告は、いまのところ見あたりません。
  • 肝臓の検査値を見た試験もあります。肝機能に異常がある習慣的な飲酒者82人を12週間追った2015年の報告で、週35単位を超えて飲む人にかぎった比較では、明日葉群19人のγ-GTPが下がり(p=0.016)、プラセボ群24人との差も出ました(p=0.046) [4] 。ASTとALTでは両群に差が出ていません。
  • 安全性はEUで評価されています。EFSAは茎から集めた液について、ラットの90日経口毒性試験をもとに体重1kgあたり1日0.5mgを安全な量とし、成人ではアシタバサップとして1日137mgまでを安全と結論しました [2] 。申請者が求めた1日780mgは認められていません。

取り入れ方の目安

  • 試験で使われたのはカルコンとして1日16mgです。青汁の粉末に含まれるカルコンの量は、栽培や加工の条件で変わります。表示にカルコンの量があるかを確かめると、試験の量と比べられます。
  • 内臓脂肪の結果が出たのはBMIが25以上30未満の人たちです。この範囲から外れる人に同じことが起きるかは、この試験からは分かりません。
  • 内臓脂肪面積に差が出たのは12週後で、8週の時点ではまだ差がついていません。短い期間で判断できる内容ではありません。
  • EUの1日137mgという数字は、茎から集めた液(アシタバサップ)を対象にした評価です。葉の粉末や別の抽出物にそのまま当てはまる数字ではありません。製品の表示量を守ってください。
  • セリ科でアレルギーのある方、妊娠中・授乳中の方、持病のある方、薬を飲んでいる方は、利用前に医師・薬剤師にご相談ください。