まず押さえたいポイント

ウロリチンAは、ザクロやベリーのエラグ酸を腸内細菌が作り変えてできる成分です [1] 。傷んだミトコンドリアを片づけるしくみに関わるとされ、加齢に伴う筋力や足腰の変化との関係が調べられてきました。人での比較試験は5件・のべ236人にとどまり、まとまった結論はまだ出ていません [5] 。

なぜ「足腰の衰え」と関係するの?

筋肉の細胞の中には、ミトコンドリア(エネルギーをつくる小さな器官)がたくさん入っています。年齢とともに、その中に傷んだものが混じってきます。

体には、傷んだミトコンドリアを袋に包んで運び出すしくみがあります。これをマイトファジーと呼びます。ウロリチンAは、その合図を出す側として研究されてきました [2] 。

ウロリチンAが筋肉の細胞で、傷んだミトコンドリアを袋に包んで運び出すしくみに関わるとされるイメージ

研究では何がわかっている?

  • 人に飲んでもらった最初の試験は2019年です。対象は運動習慣のない高齢者で、1日500mgまたは1000mgを4週間。主な目的は安全性の確認で、あわせて血液中の指標と骨格筋の遺伝子の出方に変化がみられたとしています。歩く・持ち上げるといった体の動きは、この試験では評価されていません [2] 。
  • 65〜90歳の66人が1日1000mgを4か月続けた比較試験では、あらかじめ主要な評価項目としていた6分間歩行距離と、手の筋肉のATP産生量(ATPは体を動かすエネルギーのもと)で、プラセボ群との差がつきませんでした。一方、二次的な評価項目だった筋持久力(疲れるまでに筋肉を何回収縮できるか)は、2か月の時点でプラセボ群を上回っていました [3] 。
  • 中年の成人が2つの量を4か月続けた比較試験でも、主要な評価項目のピークパワー出力では差がつかず、筋力の測定値がおよそ12%高いという結果でした [4] 。
  • 2025年12月までの比較試験5件・のべ236人を集めた2026年の報告では、数値をまとめられたのは6分間歩行距離だけ(2件分)で、プラセボ群より17.03m長かったものの、ばらつきの幅は-5.33mから39.40mにまたがりました。この項目の確からしさは「低い」と評価されています。筋力・筋持久力などは対象者・量・測り方が試験ごとに違うため数値をまとめられず、著者らは「再現された効果ではなく、仮説を立てるための手がかり」と位置づけています [5] 。
  • 人での研究5件・のべ250人を2024年に整理した報告(採択の条件が違うため、件数が同じでも人数は一致しません)も、筋力と筋持久力の値は増えたが、歩行などの体の動きには差が出なかったとしています。ミトコンドリアの最大ATP産生量や、新しく作られる量も変わりませんでした [6] 。

取り入れ方のヒント

  • もとになるエラグ酸は、ザクロ・いちご・ラズベリー・くるみなどに含まれます。そこからウロリチンAができるかどうかは腸内細菌によって違います [1] 。
  • サプリを選ぶときは、1日あたり何mgのウロリチンAが入るかをラベルで確かめましょう。研究で使われた量は1日10mgから1000mgまで幅があり [6] 、体の動きを測った試験は500mgと1000mgでした [3] [4] 。
  • 足腰については、運動と食事のほうが研究の積み重ねが厚い分野です。足腰の衰えでは、ほかの栄養素についても出典つきで紹介しています。