まず押さえたいポイント

ニコチンアミドリボシドは、体の中でNADという補酵素の材料になります。NADは筋肉の細胞がエネルギーをつくるときに欠かせません。

飲めば血液や筋肉のNADが増えることは繰り返し確かめられている一方、ミトコンドリアがエネルギーをつくる能力そのものは変わりませんでした。

なぜ「足腰の衰え」と関係するの?

筋肉は、エネルギーをよく使う組織です。その供給を担うのが細胞の中のミトコンドリアで、食べたものを燃やしてエネルギーを取り出す反応にNADが使われます。

NADは年をとると減っていくと考えられてきました。だとすれば材料を足せばどうなるか、というのがこの研究の出発点です。

ニコチンアミドリボシドからつくられたNADが、筋肉の細胞のミトコンドリアでエネルギーづくりに使われることを示した図

研究では何がわかっている?

  • 人での最初の薬物動態試験では、100mg・300mg・1000mgと量を増やすほど血液中のNAD関連物質が増えました。ニコチン酸やニコチンアミドとは別の道すじで取り込まれることも示されています [1] 。
  • 健康な中高年に1日1gを6週間とってもらった試験では、忍容性は良好で、血液中のNADが確かに増えました。血圧や動脈の硬さについては、今後の試験で確かめる必要があるという位置づけです [2] 。
  • 高齢の男性12人に1日1gを21日間とってもらい、筋肉を採って調べた試験では、筋肉の中のNAD関連物質が増え、血液中の炎症の指標が下がりました。一方で、ミトコンドリアがエネルギーをつくる能力そのものは変わっていません [3] 。
  • 肥満でインスリンの効きが落ちている40〜70歳の男性40人に1日2gを12週間とってもらった試験では、インスリンの効き・体内でつくられる糖の量・脂肪の使われ方・体の組成のいずれもプラセボと差がつきませんでした。安全性の血液検査に異常はみられていません [4] 。

材料が届いていることは示された。そこから先の体の働きが変わるかどうかは、いま試されている段階です。

取り入れ方のヒント

  • 人での試験に使われた量は1日250mgから2000mgまで幅があります。筋肉を調べた試験は1日1000mgでした。
  • 12週間・1日2000mgまでの安全性は試験で確認されています。それより長く飲み続けたときのデータは限られます。
  • 足腰については、栄養より先に歩く量や筋力を保つ運動のほうが確かめられています。足腰の衰えのページに考え方をまとめています。
  • 歩きにくさや痛みが続くときは、自己判断でサプリに頼らず医療機関にご相談ください。