カリウムは血圧と関係するの?

カリウムは細胞の中に多くたくわえられるミネラルで、とる量が増えると腎臓がナトリウムを尿へ送り出しやすくなります。複数の試験をまとめた解析では、カリウムを補給した人の血圧が低いという結果が報告されています [1] 。ただし関係はまっすぐな右肩下がりではなく、ある量を超えると下がる度合いが弱まり、さらに多いと反対側へ転じる形で報告されました。血圧が高い人と、ナトリウムをたくさんとっている人で、関連が大きくなっています。

なぜ血圧と関係するの?

体液に含まれるナトリウムの量が増えると、それに見合う水分が体にとどまります。血管の中を流れる量が増えれば、血液を押し出すときの圧(血圧)も上がりやすくなります。

カリウムをとる量が増えると、腎臓はナトリウムを尿のほうへ送り出す量を増やします。体にとどまるナトリウムと水分の量が変わることが、カリウムと血圧の関わりが調べられてきた理由です。

カリウムが増えると、腎臓からナトリウムが尿のほうへ送り出されることを示した図

研究では何が報告されている?

  • 4週間以上おこなわれた32件のランダム化比較試験をまとめた2020年の解析では、カリウムの補給量と血圧の関係がU字型を描いたと報告されています [1] 。24時間尿のカリウム排泄量の差が1日30mmol(およそ1,200mg)を超えるあたりから血圧が下がる度合いは弱まり、およそ80mmolを超えると上がる側へ転じました。試験で使われた量は1日30〜140mmolです。
  • 同じ解析では、血圧が下がる度合いが大きかったのは、血圧が高い人と、ナトリウム摂取量が多い人だったと報告されています [1] 。高いカリウム排泄量で血圧が上がったのは降圧薬を使っている人に限られ、使っていない人では見られませんでした。
  • 中国の600の村・20,995人を対象にした試験では、食塩の一部をカリウムの塩に置き換えた代替塩(塩化ナトリウム75%と塩化カリウム25%)を使った村で、脳卒中が1000人年あたり29.14件、普通の食塩を使った村で33.65件と報告されています(率比0.86、95%信頼区間0.77〜0.96) [2] 。参加者は脳卒中の既往があるか、60歳以上で血圧が高い人たちで、平均年齢は65.4歳、追跡期間は平均4.74年でした。
  • 24時間ぶんの尿を実測した6つのコホート研究(10,709人)を統合した解析では、カリウム排泄量が多い群ほど心血管イベントが少なく(最も多い群と最も少ない群でハザード比0.69)、ナトリウムとカリウムの比が高い人ほど多かったと報告されています [3] 。飲んでもらって比べた試験ではなく、観察による関連です。

量を増やすほど良くなる関係ではない点が、カリウムの研究の特徴です。日本の目標量である男性3,000mg以上・女性2,600mg以上は、上の解析で下がる度合いが保たれていた範囲におさまります。

どのくらいの量が研究で使われている?

解析に含まれた試験の補給量は1日30〜140mmol、およそ1,200〜5,500mgでした。日本人の平均摂取量は男性2,370mg・女性2,190mgで、目標量には届いていません。まずは野菜・いも類・果物・大豆製品・海藻など食品から補うのが基本です。

腎臓の働きが低下している方は、カリウムが体にたまりやすくなります。降圧薬の一部と一緒に使うと血液中のカリウムが高くなりすぎることがあるため、サプリや代替塩で足す前に必ず医師・薬剤師にご相談ください。

食品からの補い方や調理で逃げるぶんの話はカリウムに、血圧全体の見直し方は血圧が気になるに置いています。