まず押さえたいポイント

季節の変わり目になると、のどの調子をくずしたり、まわりでかぜが流行ったりしますよね。そんなとき昔から名前があがるのがビタミンCです。ただ、実際の研究を読むと「飲めばかぜを防げる」という単純な話ではありません。わかっていることと、まだはっきりしないことを、ここでは正直に分けて整理します。結論を先にいうと、ど・季節の体調管理は、ビタミンCを含めた栄養を日ごろから不足なくとっておくのが基本です。

ぜビタミンCとかぜが結びつけられてきたの?

ビタミンCは、体の守り(免疫)の働きに関わる栄養素として研究されてきました。細菌やウイルスと戦う免疫細胞の働きを支えたり、戦いのときに生じる“サビ(活性酸素)”をおさえたり、のどや鼻の粘膜という「入り口の壁」の材料づくりに関わったりする、と考えられています [3] どや季節の変わり目が話題になるのは、ちょうどこの「入り口の壁」と「戦う力」の両方にビタミンCが顔を出すからです。

ビタミンCがのど・鼻の粘膜(入り口の壁)と免疫細胞の両面に関わるイメージ

研究では何がわかっている?

ここがいちばん大事なところです。多くの比較試験をまとめた信頼性の高い研究では、一般の人が普段からビタミンCをとっても、かぜにかかる回数の平均はほとんど変わらなかったと報告されています [1] つまり「飲んでいればかぜをひかない」とは言えません。

一方で、同じ研究では、普段から継続してビタミンCをとっていた人では、かぜの症状が続く期間がやや短くなる傾向も報告されています [1] ただしこれは「のどが痛くなってから飲み始める」のとは別の話で、症状が出てからの飲み始めではっきりした効果は確認されていません。

おもしろいのは、対象によって結果が分かれる点です。マラソンランナーや兵士、寒い環境で活動する人など、運動量の多い人ではかぜにかかる回数が半分になったとする報告があります [2] 一般の人と運動量の多い人とで結果がちがう、というのが研究の現状です。

ど・季節の変わり目に取り入れるなら

  • まとめて大量にとるより、毎日こまめにとるのが理にかなっています。ビタミンCは水にとけやすく、一度に多くとっても余りは尿に出ていくためです。
  • ピーマン・ブロッコリー・キウイ・柑橘類などの野菜・果物からとるのが基本です。熱に弱いので、生で食べたり加熱を短めにしたりすると無駄になりにくいです。
  • 睡眠・栄養・手洗いといった基本が、のど・季節の体調管理では大切です。のどの痛みや発熱が続くときは、自己判断せず医療機関を受診してください。