まず押さえたいポイント

コロストラム(牛初乳)で研究がいちばん積み上がっているのは、腸のかべの通しやすさを測る指標です。無作為化比較試験10件を集めた2024年の解析では、この指標が下がったと報告されています [1] 。

ただし著者らは、結果の読み方に注意が必要だとしています。研究どうしの結果のばらつきがとても大きく、確かめるには量や期間の異なる試験をさらに重ねる必要がある、というものです [1] 。

「腸のかべの通しやすさ」はどう測る?

腸のかべは、栄養は通して余計なものは通しにくい、という選り分けをしています。この通しやすさを人で測るとき、よく使われるのが糖を使った方法です。

ラクツロースとラムノース(またはマンニトール)という2種類の糖を飲みます。片方は通り抜けやすく、もう片方は通り抜けにくい性質を持っています。数時間後に尿を集め、2つの糖の比率を見ると、かべの通しやすさの目安になります。

ラクツロースとラムノースという2種類の糖を飲み、尿に出てくる比率で腸のかべの通しやすさを測る方法のイメージ

研究では何がわかっている?

2024年の解析に集められたのは、健康なアスリートと患者を対象にした試験10件です [1] 。数字を並べると次のようになります [1] 。

  • 5時間尿中のラクツロース/ラムノース比は、牛初乳をとった群で低下した(平均差 -0.24、95%信頼区間 -0.43〜-0.04)。ただし研究間のばらつきを示すI²は99%だった。
  • ラクツロース/マンニトール比も低下した(平均差 -0.01、95%信頼区間 -0.02〜-0.001。I²は29.8%)。
  • 血液中のI-FABPという物質には、群の間で差が見られなかった。

I²は、集めた研究の結果がどれだけばらついているかを示す数字です。99%は、研究間のばらつきが非常に大きいことを示します。平均を取ると差が出ていても、その平均が個々の試験を代表しているとは限りません。

成分としては何が調べられている?

2025年の総説は、牛初乳の主な成分として免疫グロブリン(とくにIgG)、ラクトフェリン、成長因子(IGF-I・TGF-β・EGF)、オリゴ糖、生理活性ペプチドを挙げています [2] 。動物モデルと近年のヒト研究で、腸の上皮の修復や炎症の指標との関わりが調べられている、と整理されています [2] 。

仕組みの候補は複数あがっていますが、人を対象にした臨床研究はまだ足りません。総説自身、臨床への応用を今後の研究課題に挙げました [2] 。

量は試験によって大きく違う

製品の表示量と、試験で使われた量には開きがあります。

2001年から2025年の臨床試験13件を集めた2026年の系統的レビューによると、使われた量は1日10g・30g・60gなどと幅があり、期間も4週間から12週間までばらついていました [3] 。結果は一貫せず、著者らは今後の試験で1日20〜25gに量をそろえることを提案しています [3] 。

カプセル数粒ぶんの量と、試験で使われたグラム単位の量は、単純には比べられません。

取り入れ方のヒント

  • 牛の乳が原料です。牛乳アレルギーのある方は利用できません [4] 。
  • 母乳の代わりにはなりません。牛初乳の主なたんぱく質はカゼイン、母乳はホエイたんぱく質(とくにα-ラクトアルブミン)で、組成が違います [4] 。
  • 製品の表示で、1日量が何グラムなのかを確かめてください。研究で使われた量との開きが分かります [3] 。
  • お腹の不調が続くときは、自己判断でサプリを続けず医療機関にご相談ください。

成分の全体像と注意点はコロストラム(牛初乳)に、ほかに研究されている成分はお腹の調子・腸内環境にまとめています。