まず押さえたいポイント

同じ「でんぷん」でも、体への入り方は一様ではありません。糖尿病の分野では、消化の速さで3種類に区別して扱われ、そのうち小腸を素通りするのがレジスタントスターチです [1] 素通りした分は血糖の材料になりにくく、食後の血糖の上がり方との関係が調べられてきました。

なぜ血糖値と関わるといわれるの?

ごはんやパンのでんぷんは、小腸で細かく分解されてブドウ糖になり、血液へ入ります。レジスタントスターチはこの分解を受けにくいため、同じ量のでんぷんを食べても、血液に入る糖の量やスピードが変わると考えられています。

ふつうのでんぷんは小腸で分解されて吸収され、レジスタントスターチは分解されずに大腸まで届いて腸内細菌に発酵されるイメージ

特徴的なのは、加熱したでんぷんを冷やすとこの部分が増えることです。炊いたごはんやゆでたパスタが冷える過程で、でんぷんの分子が並び直し、消化酵素が近づきにくい構造になります。

研究では何が報告されている?

  • 1型糖尿病の32人を対象にした交差試験では、ゆでてから24時間冷やしたパスタと、作りたてのパスタを食べ比べ、食後の血糖の上がり方が比較されました [2] 冷却によってレジスタントスターチが増える点に着目した試験です。

  • 生活習慣病のリスクを抱える成人を対象に、23件の試験をまとめて解析した2025年の研究では、体格や血液の指標が調べられています。ただし結果は一様ではなく、使われたでんぷんの種類・とり方・期間によって差がありました [3]

  • 小腸を素通りした分は大腸で腸内細菌に発酵されます。レジスタントスターチを多く含む小麦の食物繊維使った二重盲検の比較試験では、腸内細菌の構成や、菌が作る短鎖脂肪酸(酪酸など)の量の変化が測られています [4]

試験ごとに素材(とうもろこし由来の粉末、小麦、調理で増やしたもの)も量も違うため、ひとつの数字にまとめにくい分野です。

どんな食べ物からとれる?

食事に取り入れるなら、ポテトサラダや冷やし中華のように冷ました状態で食べる料理、主食を大麦や豆に替える法が続けやすい形です。食品ごとの含まれ方はレジスタントスターチの基礎ページまとめています。急に増やすとお腹が張ることがあるため、数週間かけて少しずつ増やしてください。健康診断で血糖値の指摘を受けている方や治療中・服薬中の方は、自己判断せず医師にご相談ください。