まず押さえたいポイント

エラグ酸は、ザクロやいちご・ラズベリー・くるみに含まれるポリフェノールです。メラニンをつくる酵素の働きを抑えることが試験管で示され [1] 、紫外線を当てた肌の色でも日本で比較試験が行われています [2] 。

ただしその試験は1群13人・4週間の小さなもので、報告されている差も1〜2%程度です。

なぜ「しみ・くすみ」と関係するの?

肌の色は、メラニンという色素の量で決まります。メラニンをつくる工程で働くのがチロシナーゼという酵素です。

この酵素は、働くために銅原子を必要とします。エラグ酸は、その銅を奪うことで酵素が働けなくなるタイプの阻害剤として知られています [3] 。コウジ酸と同じ仕組みです。

紫外線を受けた肌で、色をつくる細胞の中のチロシナーゼがメラニンをつくること、そこにエラグ酸が関わるとして研究されてきたことを示した図

研究では何がわかっている?

  • エラグ酸を90%含むザクロ果皮エキスを使った2005年の研究では、試験管でのチロシナーゼの阻害がアルブチンと同じくらいでした。モルモットに口から与えた実験では、紫外線を当てた皮膚でメラニンをつくる細胞の数が減ったと報告されています [1] 。動物での結果です。
  • 人での試験は2006年に日本で行われました。20〜40代の女性39人を3群に分け、エラグ酸を1日100mgまたは200mg含むザクロエキス、あるいはプラセボを4週間とってもらっています。紫外線を当てた腕の明るさ(L値)の下がり方は、プラセボと比べて低用量群で1.35%、高用量群で1.73%抑えられました。日焼けが軽かった人に絞った解析では、一部の時点で統計的な差がついています [2] 。
  • 飲んだあと血液にどれだけ入るかを測った研究では、ザクロジュース180mLを飲んだあとの血中エラグ酸は1時間後の31.9ng/mLが最高で、4時間後には測れなくなっていました [4] 。そのままの形でとどまる時間は短いことになります。
  • エラグ酸は腸に届くと、腸内細菌によってウロリチン類に作り変えられることも報告されています [5] 。体の中で何が働いているのかを考えるときは、この作り変えの先も見ることになります。

塗るエラグ酸と、飲むエラグ酸は別に評価されている

日本では、エラグ酸は厚生労働省が認可した医薬部外品の有効成分でもあります [3] 。ただしそれは肌に塗るものとしての認可で、飲んだときの評価とは別のものです。

「エラグ酸配合」という表示を見たときは、まず塗るものか飲むものかを分けて考えると、期待の置きどころがはっきりします。

取り入れ方のヒント

  • 食品からは、ザクロ・いちご・ラズベリー・くるみが候補になります。
  • 人での試験に使われた量は、エラグ酸として1日100mgまたは200mgでした。
  • しみを気にするときは、紫外線を避ける工夫のほうが先に確かめられています。しみ・くすみのページに考え方をまとめています。
  • 気になるしみが急に増えた、形が変わったといったときは、皮膚科にご相談ください。