まず押さえたいポイント

メチル葉酸は、葉酸(ビタミンB9)のうち、体の中でそのまま使える形をしたものです。5-MTHFとも表記され、サプリでは「活性型葉酸」と書かれます。

サプリや強化食品で広く使われてきたのは合成葉酸(フォリックアシッド)で、こちらは体内で数段階の変換をへてから使われます。メチル葉酸は、その変換を終えた姿で届く、という違いです。

どう関わる?

葉酸は、細胞を作るときのDNA合成や、メチル基(体内でさまざまな反応の目印として受け渡される小さな部品)の受け渡しに関わります。合成葉酸がこの働きに参加するには、酵素による変換が必要です。

この変換を担う酵素の設計図にあたるのがMTHFR遺伝子で、働きが弱めのタイプ(多型)を持つ人がめずらしくないことが知られています。活性型が注目される背景には、この個人差があります。ただし、タイプが分かれることと、サプリの形を変えると体調が変わることは別の話で、後者は研究の途中です。

研究では何がわかっている?

血液中の葉酸の値や、ホモシステイン(アミノ酸の一種で、代謝の状態を映す指標として測られる物質)の値で、活性型と合成葉酸を比べた試験があります。妊娠期のマルチビタミンで置き換えた比較試験では、体内で変換されないまま血液に残る葉酸の量に違いがみられた報告されています。

一方で、健康な人の体調や症状にどこまで差が出るかは結論が出ていません。詳しい研究の内容は、症状ごとの解説ページで出典つきに紹介しています。

どんな食品に多い?

ほうれん草やブロッコリー、枝豆、レバー、アボカドなど、葉酸を多く含む食品がそのまま当てはまります。食品に含まれる葉酸はもともと天然型で、合成葉酸とは形が違います。

どうやって摂る?

研究では1日400μg前後が使われることが多く、合成葉酸と同じ水準です。活性型だから少量でよい、という性質のものではありません。

妊娠を計画する場合の公的な案内は合成葉酸での量を基準にしているため、活性型に置き換えるかどうかは自己判断にせず、かかりつけの医師に相談してください。葉酸に関わる薬を使っている方も同様です。