まず押さえたいポイント

近くのスマホから遠くの景色へ目を移すとき、わたしたちは無意識に「ピント」を合わせ直しています。この切りかえがうまくいかないと、文字がにじんで見えたり、画面から目を離した瞬間に景色がかすんだりします。アスタキサンチンは、サケやエビの赤い色のもとになる色素成分で、このピント合わせの筋肉の働きとの関係が研究されていますただし、調べた試験はまだ小規模で短いものが中心です。

ピント合わせの仕組みと、どう働くのか

目のなかには、レンズの厚みを変えてピントを調節する小さな筋肉(毛様体筋)があります。近くを見るときはこの筋肉がぎゅっと縮み、遠くを見るときはゆるみます。一日じゅう画面の近距離を見続けると、この筋肉はずっと縮みっぱなしに近い状態になり、遠くへの切りかえがたつきます。これがかすみや、ピントの戻りにくさとして感じられると考えられています。

アスタキサンチンは強い抗酸化の働きをもち、よく動く筋肉まわりで生じる“サビ(活性酸素)”を抑えるという観点から、ピント調節の機能を調べる研究で取り上げられてきました [1]

ピントを合わせる筋肉が酷使される目のまわりを、アスタキサンチンが抗酸化の面から気づかうとされるイメージ

とえるなら、近くと遠くを何度も往復する“ピントのギア”が引っかからないよう、まわりをいたわるのを手伝う、というイメージです。

研究では何がわかっている?

  • 近視やそのリスクがある人を対象に、栄養補給と目の働きの関係を調べた複数の試験を整理した研究では、アスタキサンチンを含むカロテノイドで、目の疲労感の指標やピント合わせのしやすさに変化がみられた例があると報告されています [1] 同時に、各試験は規模が小さく期間も短いため、結論づけるには大きな試験が必要だとされています。
  • 目に対するアスタキサンチンの研究を幅広く整理した研究では、近くと遠くの切りかえに関わる目の不調(眼精疲労)も対象のひとつとして取り上げられ、抗酸化の働きから説明できる可能性が議論されています [2]

取り入れ方のヒント

  • 食品では、サケやエビ・カニ、イクラなどに含まれます。サプリでは藻由来のものが主に使われます。
  • 研究では1日4〜12mg程度を用いた例があります。脂にとけやすいので、食事とともにとると取り入れやすいと考えられています。
  • 画面を見続けるときは、ときどき遠くへ目を移してピントをゆるめる、という休ませ方も合わせて意識するとよいでしょう。