5-HTPって、どんな成分?
5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)は、必須アミノ酸のトリプトファンが体内でセロトニンに変わる「途中の段階」にあたる成分です。
いわばセロトニンの「一歩手前」で、食品にはほとんど含まれず、アフリカの植物グリフォニアの種子などから作られます。
気分やリラックス、睡眠の目的で使われてきました。
どう関わる?
体は、トリプトファン → 5-HTP → セロトニンという順で、気分に関わるセロトニンを作ります。
5-HTPはこの流れの一歩手前にあるため、気分をめぐって研究が進んできました。
ただし、効果ははっきりせず一定しない、という整理が多いのが現状です。
セロトニンやトリプトファンを、そのままとるのと何が違うの?
「気分に関わるなら、セロトニンそのものや、その材料のトリプトファンをとればいいのでは?」と考える方もいるでしょう。ここには、体の仕組み上の違いがあります。
まず、脳には「血液脳関門」という関所があり、血液にのったものが何でも脳に入れるわけではありません。セロトニンそのものはこの関所を通れないため、口からとっても脳には届きにくいと考えられています。脳は完成したセロトニンを受けとるのではなく、関所を通れる「材料」を取り込んで、自分でセロトニンを組み立てています。
トリプトファンはその材料で、関所を通れます。ただ、ほかのアミノ酸と関所の“通る席”を奪い合うため、食事でタンパク質をとると脳に入る量はごくわずかです。さらに、トリプトファンからセロトニンへ変わる途中には混みやすい工程(律速段階=全体の速さを決める、いちばん狭い関門)があり、トリプトファンはセロトニン以外の用途にも使われて横道にそれます。
5-HTPは、この混みやすい工程をすでに通り過ぎた、セロトニンの一歩手前にあたります。残る変換は一段階で、その担当役(酵素)は体に多くあります。これが、トリプトファンやセロトニンそのものではなく「5-HTP」という形が使われてきた理由です。
ただし、セロトニンに近いぶん体への影響も出やすく、とくに薬との飲み合わせには注意が必要です(くわしくは次の項目)。
取り入れるときのポイント
何より大切なのが、薬との飲み合わせです。
抗うつ薬などセロトニンに関わる薬を使っている方は、5-HTPとの併用で「セロトニン症候群」という危険な状態につながることがあります。必ず事前に医師に相談してください。
気分の落ち込みが続く場合は、自己判断でサプリに頼らず、医療機関に相談することが大切です。