日差しを浴びた日の夜、「飲む日焼け止め」や抗酸化サプリを足せばよいのでは、と考える人は少なくありません。ただ、日焼けした後に飲むことを、そのまま調べた研究はほとんど当たりません。研究が測ったことを分けて読むと、サプリに求められる役割が見えやすくなります。

アスタキサンチンの試験では、紫外線で赤みが出るまでの量などを測定しています。日焼け後に単回で飲む場面を示した図ではありません。
アスタキサンチンの試験では、紫外線で赤みが出るまでの量などを測定しています。日焼け後に単回で飲む場面を示した図ではありません。

日焼け後に飲む場面を直接調べた研究ではない

アスタキサンチンを扱った無作為化比較試験では、健康な日本人23人が4mgのアスタキサンチンまたはプラセボを10週間摂取しました。研究者は、9週間後に紫外線で赤みが出るまでの量や、照射した部位の水分化を測っています [1]

ここで大切なのは、参加者が日焼けの後ではなく、紫外線を当てる前から数週間にわたり摂取していたことです。この試験は、日差しを浴びたその日にサプリを1回飲むとどうなるかを比べたものではありません。赤みが出るまでの紫外線量を測ったことと、日焼け後の肌に何が起きるかは、同じ問いではありません。

40件の試験をまとめても、成分ごとに結論は分かれる

2025年の系統的レビューとメタ分析は、健康な成人を対象にした40件の無作為化比較試験を集めました。コラーゲンや一部のポリフェノールでは肌の指標に差が報告された一方、カロテノイドやリコピンでは、赤みが出るまでの紫外線量や肌の弾力で統計的に明確な差を示せませんでした [2]

アスタキサンチンについても、レビューは研究数が限られ、現時点では勧める根拠が十分とは言えないと整理しています。小規模の試験で測定された変化と、幅広い人に当てはめられる結論は分けて考える必要があります。

サプリの説明を「日焼け後の挽回」と読まない

紫外線と栄養を扱う研究には、体の中で生まれる活性酸素(酸素を使う過程で生じる反応性の高い物質)や、肌の水分量といった指標が登場します。こうした研究は、栄養と肌の状態を考える手がかりにはなります。しかし、「日焼けした後に飲めば肌に特別な働きがある」という意味まで示しているわけではありません。

日焼け後にサプリを選ぶときは、パッケージの「内側から」「紫外線対策」といった言葉だけで判断せず、どの成分を、どの期間、何と比べた研究なのかを見るのが近道です。赤みや痛みが強い、水ぶくれがあるなど皮膚の症状が気になるときは、サプリ選びより先に皮膚科へ相談してください。

アスタキサンチンそのものの研究は、アスタキサンチンの基礎ページ でも紹介しています。