ナットウキナーゼって、どんな成分?
納豆のねばねばの中から1987年に見つかった酵素です。倉敷芸術科学大学の須見洋行氏らが、納豆に血液のかたまりを溶かす強い働きがあることを見つけ、食塩水で簡単に取り出せるこの酵素にナットウキナーゼと名づけました。
作っているのは納豆菌です。大豆を発酵させて納豆にする過程で、菌がこの酵素を生み出します。同じ大豆でも、煮豆や豆腐には入っていません。サプリの原料は、納豆菌を培養して作った酵素から、においや粘りのもとを除いたものが中心です。
FUという単位
ナットウキナーゼのサプリには、mgではなく「FU」という数字が書かれています。フィブリン分解ユニットの略で、血液のかたまりの骨組みになるフィブリンをどれだけ分解できるかを測った、酵素の働きの強さの単位です。重さの単位ではないため、mgのサプリと同じ物差しでは比べられません。
業界団体の日本ナットウキナーゼ協会が、1日2,000FUを摂取量の目安としています。同じ資料は、市販の納豆1パック50gに平均1,500FUの活性があるとも書いています。人の試験で使われてきた量も、多くが1日2,000FUです。
納豆とサプリで、注意が違う
血液を固まりにくくする薬ワルファリンの働きを弱めるビタミンK2が、納豆には多く含まれます。ワルファリンを飲んでいる人が納豆を控えるよう言われるのは、このためです。
サプリのナットウキナーゼは注意点が違います。協会が安全性を確認した製品ではビタミンK2が除かれていて、北米の血圧の試験でもビタミンK2を除いた原料が使われました。ただし酵素そのものが血液のかたまりを分解する方向に働くため、薬との重なりは別の問題として残ります。ワルファリンや抗血小板薬を飲んでいる方は、納豆でもサプリでも、まず医師・薬剤師に相談してください。
口から入って、血液に届くのか
酵素はたんぱく質なので、胃で消化されてしまうのではないかという疑問が出ます。これを直接調べた研究は少ないものの、健康な人に市販品を1回飲んでもらい、血清中にナットウキナーゼそのものや断片が検出できるかを抗体で確かめたパイロット試験があります。
血液の指標を追った研究もあります。健康な若い男性12人に2,000FUを1回飲んでもらったところ、かたまりが溶けたときに出るD-ダイマーが6〜8時間後に、フィブリンの分解産物が4時間後に上がり、凝固に関わる第VIII因子の活性は下がりました。変化はいずれも正常範囲の中にとどまっています。口から飲んだあと数時間で血液の検査値が変化した、という結果です。
研究では何が報告されている?
血圧を調べた人の試験が3本あります。韓国の86人と北米の79人で行われた8週間の試験ではわずかに低い値が報告され、米国の265人を3年間追った試験では血圧を含むどの検査値にも差がありませんでした。3本の試験の中身と読み方は、血圧とナットウキナーゼに出典つきでまとめています。
血液を固まりにくくする薬を飲んでいる方、手術や抜歯を予定している方は、使う前に医師・薬剤師に相談してください。大豆アレルギーのある方は原材料の表示を確かめ、妊娠・授乳中の方や持病のある方も医師にご相談ください。