マルトビオン酸って、どんな成分?

ブドウ糖とグルコン酸という2つの部品がつながった、二糖と呼ばれる小さな糖です。グルコン酸は、ブドウ糖の端が酸化されてできる酸で、ワインやハチミツにも含まれています。

工業的には、麦芽糖(マルトース)を酵素で酸化して作られます。開発したのは愛知県のサンエイ糖化という原料メーカーで、同社は国産のハチミツにこの糖が含まれていることも見つけたとしています。名前は聞きなれなくても、ハチミツを通して口にしている可能性のある糖です。

体の中でどうなる?

消化されにくい、というのがこの糖のいちばんの特徴です。試験管では、だ液・胃液・すい液のどれでも消化されず、小腸の酵素でもわずかに分解されるだけでした。

人での確認もあります。健康な女性10人が10gをとった試験では、食後の血糖とインスリンが上がらず、8時間の呼気に出る水素も、尿に出るマルトビオン酸もごくわずかでした。呼気の水素は腸内細菌が糖を発酵させたときに出る目印なので、この試験の結果からは、腸内細菌による発酵も限られていたと考えられます。消化も発酵もされにくく、エネルギーになりにくい糖という位置づけです。

一方で、腸内細菌24株のうちビフィズス菌の2種がこの糖を選んで使ったという試験管の結果や、27人の人の試験でフェカリバクテリウムという有用菌の割合が増えたという報告もあります。腸内でどこまで使われるかは、研究によって結果が分かれます。

日本での扱い

国内では機能性表示食品の関与成分になりました。原料メーカーは、お通じの改善・食事に含まれるカルシウムの吸収・骨の維持にふれた3つの機能で届出が受理されているとしています。2026年9月22日に発売されるアサヒ飲料の機能性表示食品「PLUSカルピス カラダクレンジング」でも、関与成分のひとつに使われます。届出表示では「お通じ改善をサポートする機能、食事に含まれるカルシウムの吸収を促進する機能が報告されています」と書かれています。

この制度では、事業者が根拠の資料を消費者庁に届け出て表示を付けます。国が中身を個別に審査しているわけではありません。届出番号から、その資料を消費者庁のサイトで読めます。

研究では何が報告されている?

便通を調べた人の試験が2本あります。健康な日本人女性がマルトビオン酸4gを4週間とった二重盲検の試験で、排便回数が増え、便の形の尺度と便通の質問票の点数が良かったと報告されています。中身と読み方は、便秘とマルトビオン酸に出典つきでまとめています。

骨の指標を調べた試験もあります。閉経後の日本人女性26人が2gまたは4gを4週間とった試験では、骨がこわされるときに尿に出る指標がプラセボより低く、骨を作る側の指標は高かったとされます。48人を24週間追った試験では、閉経後の女性でかかとの骨密度が高く、顔面の骨密度が増えたという結果でした。いずれも原料メーカーの研究者が著者に入っています。

消化されにくい糖のため、量や体質によってお腹がゆるくなることがあります。カルシウム塩の製品ではカルシウムの量も一緒に足されるので、カルシウムのサプリや薬を使っている方は合計量を確かめてください。持病のある方、薬を飲んでいる方は、使う前に医師・薬剤師にご相談ください。