ナイアシン(ビタミンB3)のサプリを飲んだら、顔や首がカーッと赤くほてってびっくりした。この反応を「ナイアシンフラッシュ」と呼びます。初めてだと体調不良ではないかと不安になりますが、多くは一時的なものです。ここでは、なぜ赤くなるのか、サプリの種類によって起こりやすさがどう違うのか、和らげる工夫を、研究結果をもとに整理します。

ナイアシンを多めにとると皮膚の血管が一時的にひろがり、顔などが赤くほてることがある(多くは一時的)。
ナイアシンを多めにとると皮膚の血管が一時的にひろがり、顔などが赤くほてることがある(多くは一時的)。

ナイアシンフラッシュって何?

ナイアシンを多めにとったあと、顔・首・胸・腕などが赤くなり、ほてりやピリピリ、ときにかゆみを感じることがあります。これがナイアシンフラッシュです。飲んでから15〜30分ほどで出て、しばらくすると引いていくことが多い反応です [1] 。

見た目はおどろきやすいのですが、フラッシュ自体は皮膚の血管が一時的にひろがって起こるもので、多くは重い健康被害につながらず、時間とともにおさまる一時的な反応とされています [1] 。とはいえ不快ではあるので、起こる理由と避け方を知っておくと落ち着いて対処できます。

なぜ顔が赤くほてるの?

カギになるのは「ニコチン酸」という種類のナイアシンです。ニコチン酸をとると、皮膚にある細胞から血管をひろげる物質(プロスタグランジンと呼ばれる仲間)が出ます。この物質が皮膚のすぐ下の血管をふわっとひろげ、血流が増えることで、赤みやほてりが生じます。これがフラッシュの正体です [1] [2] 。

温かいお風呂に入ると顔がほんのり赤くなるのと、体の中で起きていることは似ています。違うのは、ナイアシンの場合は皮膚の血管をひろげる「合図の物質」がきっかけになっている点です。

サプリの「種類」で起こりやすさが変わる

サプリメントに使われるビタミンB3には、主に2つの形があり、フラッシュの出やすさが違います [3] 。

  • ニコチン酸(ナイアシン):フラッシュを起こしやすい種類。
  • ニコチンアミド(ナイアシンアミド):フラッシュを起こしにくい種類。

同じビタミンB3でも、種類によって出やすい反応が違うわけです。さらにニコチン酸でも「徐放型(ゆっくり溶け出すタイプ)」は、一度に溶ける量が抑えられるぶんフラッシュが穏やかになる傾向があります。ただし徐放型を高用量で使う飲み方には別の注意(肝臓への負担など)が指摘されていて、こうした使い方は医療機関で管理される治療の範囲です [4] 。「フラッシュフリー」をうたう製品もありますが、中身も品質もさまざまなので、表示と量を確かめるのが基本です。

フラッシュを和らげる工夫

研究では、フラッシュを起こりにくくする工夫がいくつか挙げられています [2] 。

  • 食後にとる(空腹のときを避ける)
  • 少ない量から始め、様子を見ながら量を調整する
  • 強く出る・くり返すときは、量や製品の種類を見直す

医療の現場では、脂質の数値を下げる目的で高用量のナイアシンを使うとき、フラッシュを抑える薬を併用することもありますが、これは医師の管理のもとでの話です [4] 。

結局、心配しすぎなくてもいい?

前提として、普段の食事や一般的なビタミンB3サプリの量で、強いフラッシュが問題になることはそれほど多くありません。フラッシュが目立つのは、脂質の数値を下げる目的などで「ニコチン酸を高用量でとる」場面です。そしてその高用量の使い方は医療機関で管理される治療の範囲で、大規模な臨床試験では脂質の値は改善した一方で、心血管イベントは減らず、副作用が増えたと報告されています [4] 。自己判断での大量摂取は避け、気になる症状が続くときは医師・薬剤師に相談してください。

成分そのものの基本は ナイアシン(ビタミンB3)の詳細 にまとめています。